すぽっとらいと

2013年 3 月

夢志記  初心忘るべからず

谷川 光史


 この冬、私の故郷青森は大雪に見舞われた。

子供の頃、我が家は経済的に貧しかったが、親を悲しませたくなかったので文句を言わず耐えてきた。

5人兄弟の4番目だった私が一番辛かったのは、何をやっても役に立たないと親から言われることだった。早く一人前になりたくて何か身につけようと中学卒業後、職業訓練学校で学び、建具屋さんで働いた。親方が亡くなり辞めた後は体力勝負で何も考えず時給を稼ぐその日暮らしを続けながら、学歴が無いのだから仕方ないと諦めていた。
 28年前、偶然大宝運輸に入社し、先輩に誘われ参加した和合塾の新年会で伊藤塾長と出会った。

最初に自分という存在を認めてもらえたことが嬉しかった。学ぶことを通して自分の人生について考え、働くことの楽しさを知った。

学ぶことで自分の考え方と行動が変化し、人の役に立つ生き方があると教わった時、自ら諦めていた生き方から、自分を活かす生き方に方向転換できる氣がした。

そして、自分と同じように不安や不満、猜疑心を持って入社してくる人たちに、仕事を通じて大宝の面白さ、自分の存在意義を感じながら働けることの喜びを伝えたいと、力を出すことが楽しかった。
 職種と役割が変わり上手く行かないことが増えた時、自分の無知と勇氣の無さを実感すると同時に、大好きな人や会社の役に立てないことが悲しくて、学ぶことを怠け義を欠いてきたことを恥ずかしく思う。

 もう一度人生の初心を思い出し、社会に役立つ存在であるために、先ず自ら学んで変化し、人間同士尊重し合える個人と組織をつくってゆきたい。


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