すぽっとらいと

2013年 4 月

夢志記  学んで自分の武器をつくる

上杉 超治


 2年前の3月11日、東日本大震災では信じられない光景を目にしました。

多くの方が亡くなり、今も行方不明者の捜索が続いています。被災地に関する報道が少なくなりましたが、当時の様子を思い出すと今でも胸が苦しくなります。

震災後は千葉の親戚に連絡を取り、無事を確かめ励まし、必要な物を送りました。
 震災直後の混乱で生活物資が不足している時は、それを調達することで役に立っているという実感を持つことが出来ましたが、しばらくして多少の不便はあるものの日常の生活が出来るようになった時、私に出来ることは特別ありませんでした。

その時ふと考えたことは、遠くにいる困った人を助けることも大事なのですが、今居る場所で、どれだけ役に立っているのかということです。
 現在のものの見方、考え方で行動が同じならば、分かることや出来ることはいつもと変わらず、役に立つ中身も浅くて狭い範囲です。

学んでもの事の分かる次元を上げることが必要ですが、今ひとつ踏み込み変化出来ない理由は、「自分がやることではない」「誰かが何とかしてくれる」という逃げや甘えがあるからです。
 私たちは皆、有限の中で生きていて、多くの人に迷惑をかけ、許容され、支えられながら生かされています。今あることが当たり前ではなく、有り難いと思うことが出来たら、少しはエゴを小さくし、今、自分が居る場所や身近な人を大切に思い、互いに力を合わせ、助け合えると思います。

器の小さな自分を認める、ここからが本当の勉強です。

 自分を通じて人に喜びを与え、誰かの役に立てるよう、自ら学び、戦う武器を身に付けてゆきます。 


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