すぽっとらいと

2013年 5 月

夢志記  今が大切な時

門田 真理子


 「入社してから今までで一番楽しかったのはいつですか。それはなぜですか?」

最近の安全研修会では、参加者にこんな質問をしています。

この会社で働いている自分たちにとって何が楽しいのか、その条件はどうすれば出来るのか、自分の役割は何かを考えてもらいたいからです。

先日、社歴20年近い方が「入社した頃は、今よりも人間らしいというか人間くさくて楽しかった。良い先輩ばかりではなかったけれど、思ったことを言い合い、その時は喧嘩をしても、やる時は一所懸命やり 仲間 と思える人が多かった」と話してくれました。

私が映画やドラマではなく実際に殴り合いの喧嘩を見たのは、ちょうどその頃でした。
 大切な人を守るためには喧嘩もし、筋が通らない事に対しては異を唱え、困っている人を見ると放っておけない。

そんな男氣や心意氣のある人たちが、自分のエゴをコントロールしながら、そのエネルギーを人に役立つように発揮出来たのは、「義とは約束を守ること、人の役に立つことだ」と、実践を通して教えて下さっている方の大きな愛情に包まれていたからです。

その安心感と喜びが勇氣を呼び起こし、自分も何かやりたいという氣概と組織の元氣につながっていたのだと、改めてその有り難さを感じています。
 力が無いのに恰好をつけたり、自己保身ばかり考えていると組織内に形式や迎合が蔓延し、せっかくの人間くささが、単なるエゴのぶつかり合いになってしまいます。

自分の生命の原点である誕生日に親に感謝の氣持ちを伝えるように、人間としての自分の原点でお世話になった方に、自ら感謝の氣持ちを伝えることが出来るかどうかは重要です。そこから自律と自立への本当の学びが始まるのではないでしょうか。


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