すぽっとらいと

2013年 6 月

夢志記  父と師への恩返し

柴田 康造


 17年前、社会人となった私にとって最初の会社が大宝運輸だった。

学ぶことは入社時の約束だったこともあり、社内の勉強会に参加し、考える材料をいただけることを当たり前のように思っていた。

そういう学ぶ機会を創ってきて下さった伊藤専務、鈴木常務が6月20日で退職されると知った時、すべてのことに限りがあるということに氣づかず、甘えてきたことを後悔した。

人生の中で同じ様な思いをしたのが、10年前に突然、父親を亡くした時だった。
 中学生の頃、酒を飲んで酔った父親に呼ばれたが、面倒だったので聞こえない振りをしていたら木刀で叩かれた。幼い頃は夫婦喧嘩が始まると寝た振りをしていた。

10代後半で口答えをするようになると父も激高した。

その後、年齢と共に持病が悪化してきた父を見て寂しくなり歯向かう事は出来なかったが、心の中では反発し続けた。
 そんな父親との関係を見直すきったけを下さったのも伊藤専務だった。

やっと少し近づけそうになった矢先、父は帰らぬ人となった。葬儀に参列して下さった友人から、父がどんな人で何を考えていたのか、息子である私のことをどう思っていたのかを聞かされた時、もっとちゃんと話をしておけば良かったと後悔した。
 過ぎ去った時間は戻らないが、今の自分があるのはなぜかを考え、学び、変化することが大事だと思う。

自分の役割と責任を見直し、必要な人格・能力を身につけ、一緒に働いている人たちの幸せを考えながら、日々の関係を大切にしてゆきたい。 


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