すぽっとらいと

2014年10月

夢志記  今できることを大切にする

折式田 豊


  私は幼い頃、恥ずかしがり屋で帽子を深くかぶり相手の顔を見ないようにしていたと、母から聞かされていました。

その反面、自分では小学生の頃、友だちの氣を引くために「俺は黒帯だぞ」と嘘をついたりしていた記憶があります。

中学生になった頃、5つ上の兄が入院したため一人で家に居る時間が長くなりました。

親に迷惑をかけないようにと思いながらも、「別に自分ひとりでも生きていける」と強がり、自分本位な生活をしていました。

そして、中学3年のクリスマスに兄が亡くなった時は、「お前たちのせいだ」と両親を責め、20歳の頃まで反発していました。
 24歳の時に大宝に入社し、多くの人と接する機会が増えました。

業務や様々な場面でリーダーとしての役割をいただき、短期間であっても一つの目標に向かって力を合わせ、本氣で向き合うことで達成感や感動を得ることができました。

また、それらを共に味わった仲間の存在により、苦しいことや嫌なことが多くても人と関わることは楽しいと思えるようにもなりました。

それまでは中学生の頃、同じような境遇にいた地元の友だち数人に心を許すだけで、人との関わりは避けてきました。

今思えば、寂しさと心細さを紛らすために強がっていただけで、本当は兄のことも家のことも何もできなかったことをずっと後悔していたのだと思います。
 今の私は勉強と修行不足のため義を大切にしているとは、恥ずかしくて言えませんが、仲間から信頼され、困った時に相談されその人の力になれるような人間になり、お世話になった方に心から感謝を伝えられるよう学んでゆきます。


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