すぽっと らいと 4月

夢志記

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素直なじじいを目指し

小林 正雄 


 「こういう時代だからみんな仲良くせよ、楽しくやれ」と、人生の師である伊藤専務から、事あるごとに言われる。

お互いに力がない者同士だ。相手の良さを認め、力を合わせていかなければ、厳しい戦に勝つことはできない。それは分かっているつもりなのだが・・・。
 結婚後、夫が家事を分担し、子育てのため男性が育児休暇を取得することを推奨する世の中。我々の世代からすると信じられない。

国の経済政策が家計の成り立ちを変え、家族の役割分担を変えざるを得なくなっている。「オレたちの時代とは大きく変ったナー」と実感する。
 最近、仕事の中でも「40数年間、オレはこうして来たんだから、お前もそうしろ」と、言葉に出さなくても相手に強要しているのだろうと反省するようになった。

また、自分の狭い知識と経験に縛られ、新しい発想や切り口が出てこないことも悔しい。「それは年齢ではなく、もの事の分かる次元が低いからだ」と師に指摘されると恥ずかしい限りだが、若い人に言われると頭に来る。
 こんなことを続けていても何も生まれない。長年お世話になった皆さんと大宝への恩返しだと思い、「聞く耳を持つ、素直なじじい」を目指し努力してゆきたい。

若い人にもお願いがある。いくら論理で説明しても、それだけで人の心は動かない。相手の立場や事情を思い遣る、そんな氣持ちを持って欲しい。

お互いに学び続け、自分のエゴを自覚し、互いの違いを認め、良さを活かし力を合わせて戦ってゆこう。


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