すぽっと らいと 3月

夢志記

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生命に感謝し時間を活かす

 柘植 正紀


 先日、同級生が脳梗塞で亡くなった。45歳。

命のはかなさを感じると同時に、自分の命について考えた。
 自分には、どれ位の時間があるのだろうか。限りある命というのは、時間に限りがあるということ。有り難いということが分からず、無駄に使ったり、平氣で人の時間を奪ったりしている。

そういうことが「ものが分からない」ということなのだ。自分自身がどれだけ周りの人に迷惑をかけ生きているかも分からない。

そして、少しばかり努力すると「自分はやっている。出来ている」と満足したり、被害者顔になる。
 諸行無常、この世のすべての物は絶えず移り変わっていて常住しない。

人間も同じである。留まっていても年をとってゆくし、病になり亡くなる。

私は「自分は悪いことはしていない」「人に迷惑をかけないよう努力している」「まじめに生きている」と思っている。

しかし、それは人のつくってくれたものを分からず、感謝もせず依存し、多くの生命を奪って生かされていることが分からないからだ。

「私は悪いことをしていない」と思うことは迷妄そのもので、そう思っている限り自分は変わらない。

 少しでもものが分かる人間になるため、限りある時間を大切に使い、人に役立つよう勝負してゆく。


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