和 合 塾 で 学 ぼ う

9月和合塾定例会
9月3日 名古屋中小企業振興会館

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9月の定例会は「財団法人東海交通遺児を励ます会 サマーキャンプ ボランティアを通して学んだこと」をテーマーに開かれ、8月に長良川(岐阜県美並村)で行われたサマーキャンプに、ボランティアとして参加した3名の発表がありました。

 

伊藤塾長のお話

子供たちの自立を支援することが東海交通遺児を励ます会の目的です。

これは指導する側の自立の度合いも重要です。子供の特性を考えながら、自分たちが本当に大人と言えるのかどうかを考えてゆきましょう。

 子供の特性 

1、大人と比べると精神的に「受身」である。
 「これをやって」と言われたことはできても、後は自分で考えず指示を待っているのが子供です。年齢を重ね肉体的には大人であっても、精神のあり方や姿勢は、いつも受身という人は意外に多いのです。
 受身の反対語は「能動」(積極的に働きかけること)です。子供は基本的に受身であっても、自分で考え行動できるような方向に導いてくれる友だちや、先生に出会うことで成長することができます。
 社内でも、仲は良くても自立の方向に進まない”仲良しクラブ”ではお互いに困ってしまいます。誰もが弱さや淋しさを持っており、時には泣いたり愚痴を言ったりする場もいりますが、基本的には「自ら学び、考え、判断し、実行し、責任をとる」自立(サムライの精神)が必要です。

2、.他人への依存心が強い。 

 自分に力(実力)がない時は、他人に頼るしかありません。子供がどんな人に興味を持つかというと、自分に対してより強い関心を示してくれる人です。これは大人も同じです。

 相手に対して関心を持つことは人間関係の第一関門です。(図参照)

 また、こちらが関心を持っているということを言葉や態度でどう表現してゆくかによって、相手の反応も変わります。

3、長時間の集中力に欠ける。

 学校の授業時間が小・中学校、高校、大学と徐々に長くなっていくように、人間が一つのことに集中できる時間は年齢によって違います。大人で約90分と言われていますが、最近は大学生でも90分もたないそうです。

 配送終了後、支店へ帰る時に事故を起こす危険性が高いのも、集中力が途切れるからです。配送を終え支店に帰り、必要なことを済ませ、その日の勝負が終わるまで、かなりの集中力が必要です。自分の幼児性に気づき、正しく対応する(集中力がなければ適度に休息をとり緊張感を保つ、他人への依存心が強ければ自分で考え、行動できる力をつけるなど)ことで、事故やミスを起こす危険性を小さくしてゆきましょう。

4、目先のことしか考えない。

 何か欲しいものがあると、後先を考えないのが子供です。5年後のことや目に見えないものについて考えるのは苦手です。大人はある程度先のことを考え行動します。
 私は10年程前から全社講習会や和合塾で、これから時代はもっと厳しくなるので生活設計は慎重にせよ、見栄は張るな、無理をするなと言い続けてきました。住宅ローンを組んだ場合、30年近く返済し続けていかなければなりません。日本の経済が右肩上がりで量的にも拡大し、年々賃金が上昇してゆく時代と、バブル崩壊後のデフレ経済の中とでは、その負担は全然違います。5年、10年経てば自分自身や家族の条件も変化してゆくということを十分考えた上で慎重に判断してください。

5、.はっきりした自意識を持たない。
 自意識とは見栄を張ることではなく、「私はこういう人間です」「こういう考え方を持っています」と説明できることです。もの事が分かるようになると生まれてきます。

6、自己規制(セルフコントロールができない)。
 社会のルールやマナーが分からないうちは自律できないため、分かる人に注意されたり教えられたりすることが必要です。社内でも全員が自己規制(自律)できるようになれば、事故やミスは限りなくゼロに近づきます。

7、もの事の関連性が分からない。

 世の中のつながりや政治、経済の大きな流れ、歴史、思想など、大きな流れと自分とのつながりを子供はこれから勉強してゆくのですから分からなくてもいいのですが、大人になっても分からず、ただ働いて毎日を過ごしているだけでは悲しいものです。 以上、七項目で考えた時に、自信を以て「私は大人だ」と言える人は少ないのではないでしょうか。5年前、10年前、社会に出た時の自分と比べて人間性がどれだけ成長しているのか考え、精神的に自立した大人に近づく努力をし続けましょう。

その時、「自分を大切にする」という考え方が生まれてきます。