和 合 塾 で 学 ぼ う

塾生発表

テーマ「触発し共感できる仲間を増やす」

Jグループ 三好支店  柴 田 康 造

  入社して9年になるが、西春支店と三好支店で、ずっと倉庫の中にこもっていた。中学時代にいじめにあい、ずっと人と関係をもつことから逃げてきた。一人でいる方が楽なので、勝手に一匹狼を気取り、「自分でやるからいいでしょ」と被害者意識をもちながら業務に埋没し、ますます孤立していった。

 今日の自分があるのは、支店だけでなく和合塾、泡影塾、経営学習会を通じ様々な出会いがあり、自分について考える機会があったから。

 和合塾Jグループでは、会議の度に「業務で忙しくて……」と不義理を果たしてきたが、業務でもメンバーとの接点が増え、徐々にお互いをしり、指摘し合うことが心地よく感じられるようになってきた。

 自分の考え方が大きく変わったきっかけは、泡影塾のグループ活動。三年間毎月会議をを重ね、様々なテーマで自分の考えを出し合った。それまでは「話しても受け入れてもらえない」と勝手に思い、話さないからまともに考えることもしない、という悪循環であった。

 育成歴をもとに自分がが着ている鎧について考えるという会議で、中学時代にいじめられていたことを自分から話した。今まで親にも話したことがなかったが、ちゃんと聞いて受け止めてもらえた。少し心が軽くなり人とキャッチボールが出来る自分が嬉しかった。

 そして、先日卒業した第39期経営学習会も大きな刺激となった。日頃、お互いに気づいていても言わないことを、はっきりと言い合える関係が出来た。自分に対する指摘に痛みを感じることもあったが、なぜそう言われるのかを考えると、楽しく緊張感のある仲間に感謝できた。

 ただし、これからが本番。問題も矛盾もある中で、今まで世間話をするだけで、お互いに踏み込まないことを暗黙の了解としてきた人間関係から、少しずつ心を開き、踏み込む関係に変えている。伝えたくても頭の中が整理できず、支離滅裂になることもあるが、投げたボールを返してもらえるようにしていきたい。

 最近実感していることは、一人では何も出来ないということ。多くの方に力を借りることが出来るようにすることと、自分でも解決できる力をつけてゆくことが自分の目標。また、一階の事務所に席を置き、山田賢一郎さんや三小田さんとまじめな話が出来るようになり、「ここは自分の居場所だ。メンバーの一員だ。」と思えるようになったことが嬉しい。

 色々な場で多くの人と知り合い、エネルギーやチャンス、そして自分を開放するきっかけをいただいた。「これでいいや」と満足したり、少し分かったからと天狗にならず、支店やグループや個人の目標を共有し、良くするために何か力を出し合いたい。そして、業務だけでなく夢や希望を語り共感できる仲間を作っていきたい。


伊藤塾長のお話

  社会に出てからの人生最大の選択

 選択には、好きなものをいくつも選ぶ(Choice)ではなく、一つを選んだらもう一方は捨てる(trade off)覚悟が必要です。そして、社会に出てからの人生で最も大切な選択は、「@学ぶか A学ばないか」です。「学校の勉強が嫌いだったのに、社会に出てからも勉強なんて」と思う人もいるかと思います。しかし、学んでもの事が分かる度合いを高くするから、幸せになる可能性が出てきますが、現在のレベルで良しとしてそれ以上学ばなければ、いくつになっても「もの事」が分からず、自分が幸せになるどころか、地獄を見る可能性が出てきます。

 当社が「教育立社」を経営基本方針の第一項目に掲げ、勉強会を開催しているのは、社員の皆さんに幸せになって欲しいという愛情です。どちらを選ぶかを自分で決め、努力してください。学ばないという選択をした場合の結果も自分持ちです。

 人間が成長するのは自分の中だけ

 触発とは、違う要素や要因がぶつかりあったりして、融合しあうことによって、前と違うものが生まれることです。

 性格的にも能力的にも同じ人はいません。違う人同士が自分の考えや思いをぶつけ合い融合させることで、従来にない新しいものが生まれてきます。小グループ活動がうまくいっているところのメンバーがどんどん変化していくのも、その一つです。

人間が成長できるのは、人間の中だけです。色々な仲間との接点を大事にしてください。大宝は直接金儲けにはならなくても、人間として生きていく上で欠かせないものを、意図して考える場が多く、不思議な空間、時空が作られているのです。

 停滞から活性へのサイクル

 誰にも挫折や停滞の経験があるはずです。そこから脱出するために「触発」が必要です。

 

 「目ざめ」は成長の入り口

 少し勉強しただけで没落していく人がいます。それはなぜでしょうか。

少し勉強して今まで知らなかった言葉を覚え、簡単な原則を記憶すると、「なるほど」と思いますが、これは「目ざめ」の段階で寝起きと同じ、まだぼんやりとした状態です。

 成長のための第一歩にすぎないのですが、ここで「自分は分かった」「自分で出来る」という錯覚を起こすと、背伸びをし格好をつけ始めます。そして、学ぶことをやめ、自分の内面の奥底に残っている「未熟さや阿呆さ」に目を向けて掘り下げなくなります。もの事がうまくいかないことを人のせいにして、没落していくのです。ナポレオンがセントヘレナ島で最期を遂げるとき、「私の没落は誰のせいでもなく私自身のせいである」という言葉を残したと言われています。

 自ら破滅の方向へ進んでいる時に救ってくれるのは、まともな人(自ら学ぶ努力をし続けている人)とのつき合いの中での触発です。「人は信用できない」「人間関係は苦手」という人は、その壁を乗り越え「触発」を受け入れ、幸せになれる方向で努力してゆきましょう。