現在、人との関係を感情だけで即反応せず、一呼吸おき、時には一晩かけて、相手の氣持ちその人の背景、自分がどんな関係をつくってゆきたいのかを考えるようにしている。
以前は人を見下す氣持ちが強かった。意見が対立すると何とか言い負かし、不都合になると不機嫌になっていた。
子供の頃から腕力のある3つ上の兄の機嫌をとり、自分に期待する母の前では良い子を演じることで自分を守ってきた。無意識だったがストレスを溜め、外では威張り、バカにされる前に相手をバカにしていた。
6年前、大宝に入社。歳から10年間、アルコール依存症で何も出来ない経験があったので、人と同じように働けることが嬉しく、「他に何も望まないから、放っておいてくれ」と、出来るだけ目立たないようにしていた。
しかし、慣れてくると人を批判し、陰口を言い合っていた。縁あって経営学習会で、ものの見方、考え方を学んだが、急に自分が全部分かった氣になり、安全委員になっても人の氣持ちを考えず、自分の考えを押し通した。「自分は正しいことをしている」と思っていたが、上手く行かず、事故や退職者が続いた。どんどん仲間との距離が遠くなり、まともに話をしてくれる人がいなくなった。
2年前、自分に疑問を持ち始めた。何がいけないのかは分からなかったが、厳しく指導してくれる人の話を素直に聞けるようになり、「人と話し、相手の話を聞かせてもらえるようになりたい」と思い始めた。
言葉遣いや態度に氣をつけることで人と話ができるようになり、相手のことを好きになった。お互いを知る活動に重点を置いてから公の場で意見が出るようになり、心が通う職場になってきた。
家庭でも同じ事をしてきたことに氣づき、今はちゃんと子供と向き合い話を聞くようにしている。
自分の主張ばかりせず相手を知り、相手の身になって考えなければ、何も分からず自分の意も伝わらない。お互いに多かれ少なかれ迷惑をかけ、面倒を見てもらって生きている。今は少しでも人のために力を出し、人から受ける迷惑に寛大になれることが自分の幸せだと思えるようになった。
2年前に教わった「私はついている」の唱和を、1年目は軽く考えすぐにやめ、2年目は毎朝続けた。
苦しいことはあっても、自分の中で何かが動き前向きな氣持ちが湧き、やる氣を継続出来た。身近でそういう姿を見せてくれる人がいることに感謝し、見習い身につけてゆく。
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