今回の物流フェスティバルは、点数を競うという従来のやり方を見直し、基本を学び日常に定着させるようにしたいと、自分たちで内容を変えました。
これまでの内容とやり方に疑問を持ち、変化させたこと、短期間でそれを具体的にして成功させたという点で立派でした。
前日設営も当日の朝も雨でした。責任を持ち運営する人は判断に困ったと思いますが、前もって雨の日用のスケジュールも組んであり、全社も協力できたのでスムーズな運営が出来ました。
当日、皆さんが作成した業務マニュアルを見せてもらいました。皆さんが日頃一所懸命業務をしてくれているということが伝わってきました。いつも本当にありがとうございます。
一、見えない問題を明らかにする
事故やミス、クレームを無くしてゆく時、一番大事なことは潜在化している(目に見えない、よく分からない状態)問題を、顕在化(みんなで考え分析し、目に見えるようにする)こと=現象から背景と本質を探ることです。
例えば「倉庫内、構内のヒヤリハットマップ」では、全員が知っているわけではない危険だと思う箇所を明らかにし、みんなが分かるようにし事故防止につなげるために作成しました。
また、各自が業務マニュアルを作成することで、今まで知らなかった仲間の業務内容や苦労を知り、「自分も苦労が多いけれど、あの人も同じなんだ」という共感が湧いてきます。後日、ビデオで配布された「パワーゲート使用時の危険」も、「危険だぞ」と言葉で訴えるだけでなく、実際に車と安全靴を使った実験を目で見ることによって、より怖さが伝わります。
これで終わらせず今後も潜在化している問題を顕在化させ、みんなが分かるようにしてゆく活動を各支店で展開していって下さい。
二、問題を見えなくしているもの
潜在化した問題を、なかなか顕在化させることが出来ないのは、次のような阻害要因があるからです。
@知らない、知ろうとしない
無関心、他人事(自分には関係ない) からは、個人も組織も何の変化も 生まれない。
A分からない
学んでいないため、そのことに関 する能力が低い。また、つながりが 分からず感性が鈍い。
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人間に対する能力、洞察力が鈍ければ、他人の言動を見ても何も分かりません。自分自身を知ることも同じです。「自分の精神年齢が何歳か、どんな心の傷を持っているのか考えてみよ」と言いますが、それらを知らず分からない状態で、自分を変化させることは出来ません。
Bごまかし
自己保身が強ければ強いほど、ご まかすための鎧を着る。
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エレベーターのドアにリフトをぶつけた跡があるのに誰がやったのか分からない、商品事故の当事者が「不明」という組織が、事故や商品事故を無くすことは出来ません。管理者や核になる人たちがごましを無くし、悪いことは「悪い」と素直に言える組織にしてゆくことが必要です。人間はミスをする生き物です。そのミスをごまかし隠すのか、はっきりさせてゆくのかによって、個人も組織も全く違ってきます。事実を明らかにし、起きた現象から問題の背景と本質を探り指導することが大切です。
C見て見ぬふり
見たままの事実を伝えることが出 来ないのは臆病で自分勝手だから です。相手が間違ったことをして いても「オレには関係ない」と知 らん顔の人が多ければ、組織はよ くなりません。
D不正を行なう
これは最悪です。その背景と本質には、自分のしたことがどういう影響を及ぼすのか分からない阿呆さ、強欲さ、何とかなるさという怠惰、自分だけではないという嫉妬心が隠れています。
この5つの阻害要因を小さくする努力をし、明るくおもしろく働ける支店をつくりたいと努力している人が何人かいる支店は、その人も組織全体も明るくなっています。
事故が起きてから「2度と起こさないようにします」と言いますが、そう思うならばみんなが周囲への関心、エネルギー、人への注意・配慮など、今までよりも10%多く力を出して下さい。
皆で考え出来るだけ仲良く楽しみながら事故が無く明るい支店、少しでも労働条件を良くできる会社をつくってゆきましょう。
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