12月和合塾定例会 12月3日(水)

 12月和合塾 定例会

【テーマ】 伊藤塾長講話


伊藤塾長講話

 今日は2008年最後の定例会です。

新年会でみなさんにメッセージを手渡したのが、ついこの間のようです。

毎年この時期に言いますが、時間の経過は速いものです。誰も止めることができないという意味で「時間」は最も強いもの、恐ろしいものです。

しかし、多くの人が普段は意識しません。特に若い時はそうです。小学校低学年頃までの子供は、葬式の時も人がたくさん集まっているので喜んでいます。

それはまだ時間の概念がなく、死というものが分からないからです。

 夜になると見える星も、昼間は見ることができません。

しかし、星は昼間も存在しています。こういったことが分からないと、時間に対する認識は生まれず、人生も分かりません。もの事が分かる努力をしないと、自分の目で見えるものしか分からないのです。

現在、30歳の人も振り返ってみると、あっと言う間だったと思います。「まだ時間がある」と思っていると、時間だけが経過し、これから30年も、あっと言う間に過ぎてしまいます。

時々こういったことを考えないと、自分の人生を無駄遣いしてしまいます。

1、一年の「結果」は自分もち

 みなさんの多くが、一年の始めに「今年も頑張ろう」と思い、毎月の和合塾に参加したはずです。

では和合塾生として、この一年間で何か一つでも自分の心を揺さぶられたこと、感動したことはありますか?

それぞれの次元で何かに目ざめ、自分で氣づき、意識し、行動することで、自覚のレベルまで落とし込めたことはありましたか?

もしあれば、幸せな人です。その人にとっては楽しく充実した一年だったはずです。

 自分の心が揺さぶられるような感動は、生理的な欲求からはほとんど生まれません。どんなにおしいしいものを食べても、その喜びは瞬間しかもちません。

人生は「四苦八苦」です。苦しいことも悲しいこともありますが、前向きに楽しく生き、充実したものにするために、学び考え、もの事の分かる幅を広げ深め、自ら感動をつくり出しましょう。

2、世界の中の日本、その中で 生きている大宝、そして私たち

1、金融資本主義の崩壊

  新聞やニュースで報じられているように、自動車産業は世界で最も大きな産業ですが、国内外ともに急激な販売不振が続き、大幅な減産と人員の削減を行なっています。ついこの間180円台まで上昇したガソリン価格も、110円台に下がっています。

 金融資本主義とは生産(物)によらず、金融により利益をあげようとするものです。より儲かる市場を探し、投機マネー(一種の バクチ のようなもの)が世界中を24時間飛び回っています。

その本家本元であるアメリカが、サブプライムローンの破綻に端を発し、危機的状況を迎え、世界中に金融危機を招いています。それが今、実体経済にもマイナスの影響を与えているのです。

2、私たちの生活に直結

  このように世界的な金融危機によりアメリカの大手投資銀行が破綻し、自動車業界のビッグ3も倒産寸前という時代です。

世界経済について深く詳しく知る必要はありませんが、「グローバリゼーション」とは、世界中がリンクしている(つながっている)ということです。

実体経済の悪化は、直接、個人の生活にマイナスの影響を及ぼします。

 先日、労働組合との団体交渉が行なわれました。大半の会社が要求額に対しマイナス回答で妥結している中、当社は前年同額の回答を出しました。

ただし、世界の経済情勢を考えた時、その場でもお願いした通り、来年どうなるかは分かりません。住宅ローンを組んでいる人は、毎月の返済額を少なくするため、ボーナス月の返済額を多くしているはずです。

個人の生活も、最悪のシナリオの場合でもローンを返済できるよう、日常の生活を見直し、見栄を張らず無駄な出費を減らして節約し、できるだけ貯金しておきましょう。

 また、こういう時代は治安が悪化し、泥棒も多くなります。個人も家庭も職場も、防犯に対する意識を今まで以上に高め、自分たちの命と生活を守ってゆきましょう。

3、私たちに今、できること

 このような時代の中で個人として、組織として生き残ってゆくために必要なことをお話します。

 1、マイナスの感度を高める

  マイナスの感度を高めるとは、もの事を「何とかなる」で済ませるのではなく、次の四つをもとに総合的に考えてみることです。

 @色々なことに疑問を持つ

 A素直に反省してみる

 B問題意識を持つ 

 C若干「不安」も持ってみる

 マイナスの感度が高い安全委員やリーダーが多い支店は、事故を起こす確率が低くなります。

 2、柔軟に考える

 もの事を柔軟に考えるとは、 

(1)「今まで通りで何とかなる」という考え方を捨てる人間は誰もが怠け者ですから、そう思うこともありますが、その考え方は思考と行動を固定化してしまいます。「今まで事故を起こしていないから、自分は事故を起こさない」と思い横着に構え、他人事だと思っている人ほど事故を起こします。「今の自分では通用しない」と、どこまで思えるかが重要です。

(2)やるべきこと、できることを「早く」「徹底して」やり続ける「いつかやります」「一回言いました」ではダメです。

(3)ダメだと判断したことは、思い切って切り捨てる仕事や組織、個人も、今までのやり方だけでは通用しません。柔軟な組織運営とは、状況に応じて昇進があれば降格もあり、パートナー社員が正社員になることも、また、その逆もあり得るということです。 

(4)四つのものを好きになる 

 @人間が好きになる

 その第一は自分自身のことを探ってみて、いいところも悪いところも認め、自分自身を好きになる努力をすることです。自分を好きになれない人が、他人を好きになることはありません。 

 A学び好きになる

 学ぶとは、色々な知識を持ち、発想できる自分をつくることです。少しもの事が分かるところまでは、自分で努力するしかありません。

 B働き好きになる

  自分が何かで人の役に立っているということが分かると、働くことが好きになり「朗働」となります。自分がメシを食うためだけに厭々働くから「労働」になるのです。自分がどちらの働き方をしているかは、自分自身が一番良く知っています。

 C与え好きになる

 人から何かをもらう時だけニコニコ笑い、自分から与えることは舌を出すのもイヤでは、自己中心でエゴの塊です。見栄を張るということではなく、物理的、精神的に人に与えることに喜びを感じられる人間を目ざしてゆきましょう。

 この四つができる人は、まわりの人から好感を持たれ愛されます。

そうでない場合は、自分に何が欠けているのかを見直してみましょう。

4、働きやすい職場をみんなでつくる

 会社は図のような三つの要素で成り立っています。

 大宝で働く人の「人格・能力」「仕事の内容・仕組み」「組織の風土」を向上させ、「社会の変化」と「お客様からの要望の変化」に対応することができなければ、大宝という会社がこの世に存在する意義がなくなり、倒産することになります。外部条件が悪い中で個人として、組織として生き残り生活を維持してゆくために、この三つの要素の質的な向上に、皆で取り組んでゆきましょう。

 私はみなさん一人ひとりに、本当の意味で支店を支え、大宝を支える人材になってほしいと願っています。それがみなさんと家族の幸せにつながると信じているからです。

 そのために 

@よく話す(次元を考えながら発信できる自分をつくるためには、日頃からものを考えることが必要)

Aよく書く(論理的にものを考え、情を身につけるために絶対必要)

Bよく聴く(素直になる)

Cよく計算する(目先の損得勘定は努力しなくても誰もがしてしまいますが、もっと大きなものさしで)

Dよく考えて考えて、考える

Eよく行動する。実践する

 こういった努力をすることで個人個人が成長し、会社を発展させ、お互いの生活を守ってゆきましょう。

1年間ごくろうさまでした。落ち着いて仕事を行ない無事故で頑張って、新しい年を迎えましょう。


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