4月和合塾定例会 4月7日(水)

4月和合塾 定例会   「伊藤塾長講話」

伊藤塾長講話

 人間にとって悲しいことは、ボーッとしていてものが分からないまま年をとることです。少しでも人の役に立つということは人間にとって尊いことですが、ものごとが分からず、エゴをむき出していては、人の役に立つことはありません。

ものごとが分かるよう学んで下さい。

先日、労働組合との団体交渉でもお話したように、現在、時代の大きな転換期を迎えています。従来と同じように考え行動していると会社は潰れてしまいます。

管理者、事務職員、安全委員、すべての社員が、学んでもの事の分かる次元を高め、役割にふさわしい人格能力を身につけることが何より大事なのです。

1、自分を活かし家族を守り、  会社を良くする学び

 

知識の限界 思考の限界 行動の限界 成果の限界

 

(1)個人の考え方と成果
 知識はものごとを考えるための材料です。みなさんは知識の一部を集めるために和合塾に来ています。

本や新聞を読むのも知識を得るためです。材料がなければ、自分で考えることができず、人から「やれ」と指示されたことしかできません。

何かあるとすぐに「できない」と言う人と、自分なりにやり方を考えてやる人との違いは、「考える材料=持っている知識」の量と質です。

また、「何をやればいいのか分からない」という人は、行動の限界にきているのです。そこから抜け出すには、知識を増やし考える訓練が必要です。

 仕事で成果が上がらない人の原因も、一番元に戻ると知識がないため考えることができず、行動に移せないからです。

特に事務職員や流通職員でリーダーを務めている人は、考える材料と考える力がなければ、いっしょうけんめいやっているふりをしなければなりません。悲しいことです。
 だから勉強しなければならないのです。ここで聞いたことをノートにメモするだけで終わらせず、自分が組織の役に立ち、収入を得て生活してゆくために、何の知識が不足しているのかを考え、それを補う努力をしてください。

一年に一度も本屋に行ってまじめな本を買ったことがないというのでは、働いて収入を得、生計を立てることさえ難しくなります。

これから本当に嫌な時代がやって来るのです。経営者も働く人も大きな覚悟を持たなければならないかもしれません。給料が半分になっても雇用を確保するのか、多少人数を減らしてでも給料を確保するのかなど、労使ともに厳しい判断をしなければならない時代がやってきます。そうしなければ会社そのものが成り立たなくなるのです。私が色々な場で「仲良くせよ」と言うのは、お互いに助け合った方が人間らしくて良いからです。

目先の要領だけで食べていける時代は終わりました。会社も、もの事が分かる社員が増えなければ、勝負になりません。
(2)行動のエネルギーを生み出すもと
 このように知識は重要ですが、それだけでは不十分で、すぐに限界がきます。何年も大宝にいて勉強会に来ていても変化していない人は、自分の「魂・意・志・氣」を見直してみてください。

 魂(精神)の育成度が低く、自分の価値観や考え方の根っ子が未成熟であれば、「これをやりたい」という自分の意、そして「自分の支店や会社、世の中をこうしたい」という志は出てきません。「あの人は後ろ姿にも氣が出ている」と言われる人は、この流れの中で着実に変化成長しているのです。
(3)誰もが「自分は正しい」と思っている
 自分の考え方や行動が正しいかどうかは、客観的な実績で証明されます。

自分では正しいと思っていても、これといった実績が出ない人は、「それはおかしい」「こうした方が良い」と言われていることを、まじめに考え、素直に実践しましょう。学ばない人間は客観的な実績はつくり出せず、何も創造しない人は組織から必要とされなくなってしまうのです。

2、厳しい時代だからこそ、 考え実践した分だけ おもしろい

(1)働きやすい職場づくり
 今後、外部環境も顧客からの要望もますます厳しくなります。その中で私たちが生きてゆくために一番大事なことは次の3つです。

 この3つを高め外部環境の変化、顧客の要望に対応できる企業しか生き残ることはできません。

上司と部下の人格能力が低く、仕事の仕組みや内容が改善できず、職場の風土や文化が卑しかったり低ければ、その支店は沈み、それにつられて大宝全体が沈んでゆきます。

上司と部下の人格能力を高めるには学ぶことが不可欠で、仕事の仕組みや内容を改善するにも、学んでもの事が分からなければ、どこに問題があるかも分かりません。また、職場の風土・文化は急には良くならず、何十年かけて創り上げても、崩壊するのはあっという間です。だからこそものを考える人間にとってはおもしろい時代です。
(2)組織が崩壊してゆく要因
 逆に組織が崩壊してゆく要因は
@治安維持力の弱体化=規律を保 つことができない
A体制を支えている指導者、考え方への不信=掲げている理念と実際 が違い、裏表が激しくて信じられ なくなる
B経済的に成り立たなくなる=いくら働いても食べていけなくなる
 こうなった時、組織は自然に崩壊してゆきます。そうならないために、規律を守ることが重要です。規律を乱す行動を見た時に、「おかしい」と言い指導できる人がリーダーでなければ、2〜3年で組織は崩壊します。

また、私たちは人間ですから完璧ではありませんが、嘘やごまかしが強い人が部下に「まじめに働け」と言っても通用しません。できるだけ裏表を作らず、人に信じてもらえる努力、自分たちの生活を守ってゆくため利益を上げてゆく努力が必要です。

外部環境の厳しさは、あと15年から20年は続くと思います。自分たちで頑張れることを真剣にやることが、私たちが生き残る道です。
(3)自分たちが生き残る道を、自分たちの力で切り開こう
 これから私たちは次のことを真剣に考え実行してゆかなければなりません。

この3つは大宝がこの時代を生き残り、発展してゆく方向です。
@人間がやる氣になる仕組み
  やる氣のない人間、エゴ丸出しでものを欲しがるだけの人が100人いても戦はできません。「本当のやる氣」と「やる氣のある顔」は違います。
A楽しくなる仕組み
  「あの人と会うと楽しい」という氣持ちを持ってもらえる人間になる。

そういう仕組みを作ることが楽しさを生み出します。
B儲かる仕組み
 「儲」という字は「信+者」と書きます。

社内でもお客様や取引先の方々からも「あの人は信用できる」「あの会社はおもしろい」「あの会社の○○さんはおもしろい」と支持していただけるような個人、組織になるための中身を考えつくり出しましょう。
 この3つをそれぞれの立場で考え、組み合わせると、大きな効果が生まれます。和合塾生の皆さんは、その先頭に立ち、自分の得意な分野を、是非活かしてください。

自分と家族と仲間と組織を良くするために考えることはいっぱいあり、やってみると楽しいのです。
 逆に一番やってはいけないことは、次の3つです。
@迎合する
A格好をつける
Bごかます
 大宝で働く私たちにとって会社は城です。

厳しい時代を生き残ろうと思ったら、勉強する人の数をまじめに増やし、自分たちの城を守る城壁と城郭を造らなければなりません。

 この一年も楽しんでやってゆきましょう。


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