今日の発表にあったように、ものを考えることをしないと、仕事も人間関係も楽しくなりません。簡単に言うと仕事と人間関係の楽しさは、ものを考える次元によって決まります。だから勉強するのです。
1.仕事を楽しくするために必要な能力
人間の基本能力には次元があります。その次元によって仕事の面白さが変わります。
もし一次元の能力しかなければ、
100%他人の指示による仕事しかできません。
人から言われたことだけやるのは一面では楽ですが、いつまでもそれだけでは楽しくありません。
思うような成果が出ないため、仕事や人間関係が嫌になり、会社を辞めたくなるのです。楽しくしようと思ったら、もの事を考え理解する力が必要です。
塾に来てメモした原理原則を暗記することも大事ですが、もっと大事なのは、自分事として考え、やってみることです。「1+1=2」という計算力は誰もがあります。では「ホワイトボードペン1本+ペン消し1個=?」の答えは何だと思いますか。これは応用力の問題です。
単なる暗記や計算だけでなく、自分で考える力を身につけないと、業務の効率を上げ改善することは出来ません。
昼食をうどんにするか牛丼にするか決めるのを判断力とは言いません。
人が10人いたら、考え方や行動はみんな違います。人間を知り洞察する力がないと、現象の奥にあるその人の考え方などを見抜き、相手を判断することはできません。また、同じ事を言っても、ある人が言うと話がまとまるのに、別の人だとかえってもめる場合があります。それは説得力の違いです。
2.楽しさは欲求によって変わる
何を楽しいと感じるかは、その人の持つ欲求によって変わります。「マズローの欲求五段階説」に当てはめて考えてみましょう。
人間は動物ですので生理的欲求を持っています。腹が減っては戦ができません。ただし、学んでものを考えないと、最も動物的な生理的欲求だけで止まってしまうのです。また、自分が持っている最大限の能力を活かし仲間や会社、社会の役に立ちたいという自己実現の欲求を持った人と、そんなことは全く考えたことがなく、生理的欲求のみという人は、仲良くすることは出来ません。良い人間関係をつくろうと思ったら、自分の欲求の次元を上げる努力が必要です。
自分は、どの次元で人と仲良くしているのか考えてみて下さい。生理的欲求だけで結びついた者同士のことを「一味」と言います。ほとんどの社員が生理的欲求だけで働いていた30数年前の大宝は、200台の保有台数で年間200件の交通事故が発生していました。
勉強会を行ない、ものの分かる社員が増え、安全の欲求を刺激し合える関係が生まれてから事故が減り始めました。
そういうことが分かると多少自分を変えようと思い、学ぶ事が自分事になります。安全委員として役割をまっとうしよう、責任ある立場で役に立とうと思ったら、自我の欲求以上の次元の自分をつくる努力が必要です。ものを考え次元を上げる努力をしながら、自分が考えていることを遠慮なく言い合って下さい。それがコミュニケーションになります。あまり次元が低いときに文句だけ言っていても仕方ありません。
3.もともと苦しいのが人生
このように仕事や人間関係を楽しくすることは大切ですが、一番難しいことです。なぜならば人生は四苦八苦だからです。
人間にとって最大の苦しみであり哀しみである、この四苦八苦からは誰も抜け出すことが出来ません。
それが分からないから、目先の計算をして上手にごまかそうとするのです。
自分事として考え分かった分しか、人生の楽しみをつくり出すことは出来ません。色々な角度から人間について考え、実践を通して身につける努力をすることで、仕事や人間関係を楽しくしてゆきましょう。
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