新しい年を迎え1ヶ月が経とうとしている。
年々、時間の経過が速くなり焦りを感じる。私は会社にお世話になり16年になるが、入社当時はお世話になっていると思うどころか、迷惑ばかり掛けていた。
今思えば阿呆さと小心さの表われだが、人間関係の煩わしさを嫌い、子供の頃からの負けん氣の強さと、少し人より業務が出来るという思いで、言いたいことを言い、行なっていた。
そんなある日、当時一番面倒をみてもらっていた、故山田和男支店長から本社への用事を頼まれた。
嫌々だが仕方ないので平氣そうな顔をして用事を済ませ、そそくさと帰ろうとした時、大きな低い声で呼び止められた。
反射的に怒られると思い緊張して振り向くと、事務所の奥に座ってみえた伊藤専務が「いつもありがとうな。
氣をつけて帰ってくれ」と声を掛け、飴玉を渡して下さった。
この一言と飴玉ひとつがきっかけで、学びの場に参画するようになった。
自分のことを一人の人間として見てくれ、氣に掛けてもらえたことに感激したのだ。
きっと私はそれを求めても得られずに、ずっと反発してきたのだと思う。
人として間違った方向にいる時は烈火のごとく叱り、やさしく諭して下さった師との関係は、今も続いている。大切なのは物理的な距離ではなく心の距離だ。
自分自身が体験してきたことと、思いをより多くの人に伝えてゆくことが、お互いを活かし人に役立つことだと考え、これからも行動してゆく。
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