和 合 塾 で 学 ぼ う

5月和合塾

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伊藤塾長のお話
 平成15年度も2ヶ月が経過いたしました。厳しい戦いが続いていますが、企業経営も個人の人生も長丁場でありゴールはありません。大宝は設立51年になりますが、あと50年存続するのは並大抵のことではありません。存続できるかどうかはそこで働く人たちにかかっています。
「企業は人なり、企業は組織なり」というように、組織に生命を吹き込むのは社員の質なのです。どうか自分の人生をふまえた上で次のようなことを考えてみてください。

  善悪と賢愚 
 

この「賢愚」「善悪」の座標軸上で今、自分がどこに存在しているのかを素直に考え自覚しなければ、努力すべき方向も分かりません。次の6項目をヒントに是非考えてみてください。
 @ 私たちは善か?
 目の上に釣り針が刺さったタマちゃんを見て『かわいそうだ』と言いながら、うまいうまいと言って釣った魚を食べたり焼肉を食べたりしている。
 アメリカなどによるイラク攻撃で、空爆により実際に人が亡くなる様子を知り「ひどいことをする」と思いながら、テレビを消した瞬間から他事を考えている。
 というように、少し考えただけでも善には程遠いことを平気で行っています。


 A 私たちは賢いか?!
 お互いに知っているといっても実に狭い範囲であり、その部分で少し賢いだけなのです。それを変に賢く見せようとするから肩に力が入り、力んでしまうのです。


 B 私たちは怠け者ではないか?!
 日頃、私たちには色々な制約があり、怠け心を若干コントロールすることができますが、もし宝くじで3億円が当たったら、今のように勤勉に働きますか?誰も見ていない所で1万円札を拾ったらどうしますか?


 C 人間としてもの事が分かる、成長する努力をしているのか?!
 知識を得るためには本を読むことが必要だ。目安として「年齢×10冊」(35歳なら350册)漫画や雑誌を除いた本を読んでいるかと尋ねても、残念ながらごくわずかです。
 「業務でがんばっています」という人はたくさんいます。感謝していますが、会社で働き収入を得ている以上、それは当たり前のことだとも考えてください。大切なのはそれで自分が成長できるのかということです。
 目先の面白さや刹那の快楽を求めるだけでなく、今のままの自分で20年、30年、40年後、まともな人生が送れるのかということを真剣に考え、自分が成長する努力をしましょう。


 D 嘘やごまかしはないか?!
 私たちほど嘘、偽り、ごまかしの名人はいません。

 E いつも他人の評価ばかり気にしていないか?!
 自分が周りの人からどう思われているかは多少気になりますが、そればかり気にしすぎると疲れてしまいます。
 

 以上、自分自身にすり合わせて考えてみると、「私は賢い、善人だ」と簡単には言えません。今いるレベルと「今のままの自分では近い将来通用しなくなる」ことを自覚し学び、結果として人からの信頼を得、人間として成長できるところに近づく努力をしていきましょう。これから先、間違いなく世の中はもっと厳しくなってゆきます。日本の産業全体で賃金を下げざるを得ない状況になっています。できるだけ大きな買い物や無駄遣いをしないようにしてください。

 大事な家族を守るために 
 よく「私は家族が大事ですから」と言う人がいますが、それは当たり前のことです。そう思えば思うほど、図のように全てがつながっていることを認識しなければなりません。

 家族が大事だと言っても会社や社会との関係を考えず、自分と家族という狭い枠の中だけで考え生きてゆくことはできません。外部環境が厳しく変化が激しい時ほど、社会→会社→家庭→自分自身に対する外圧は強まります。それに対応してゆく力を身につけるために、社会がどのように変化しているのか、その中で自分のいる会社をどうやってまもってゆくかを考え実践していかなければなりません。それが家族を守るということです。

 ともすると厳しい現実と日常生活の中で忘れがちである、人間として最も大事な「自分はなぜ生きるのか、どう生きるのか」ということを働く中でしっかり考え自分さがしをしてゆきましょう。

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