神谷さんの話を聞いてびっくりしました。論理的にあれだけの話ができるというのはすごい進歩です。自分でも言っていたように、これから身につけていってください。
メッセージに書いてあるのは当たり前のことなのですが、この当たり前のことが分かる。当たり前のことができるというのが非常にむずかしいのです。それは人間誰もが弱さを持っているからです。以前にもお話しましたが、人間は強欲で阿呆で小心なのです。
ある程度修行をしないと自覚できませんが、私たちの中には強欲さがいっぱいつまっており、自己成長の大きな阻害要因となっています。自分の強欲さにどれだけ気づきコントロールできるかが重要です。強欲さを圧縮した「すき間」に新しい知識や新しい刺激が入ってきて、それをもとに考え意識し実践するから成長していくのです。私はみなさんにそうあって欲しいと考え、勉強会などを通じて考える材料を提供しているのです。ところがそれをもとに考え実践に活かしていく人はわずかです。
みなさんは自分で贈ったものを相手が目の前で捨てたとしたらどう思いますか。心が傷つき腹を立てたりすると思うのですが、自分はどうですか。提供された材料を何も活かさず無碍(むげ)にすること程、私に対する無礼はありません。それでいて「かわいがってください」というのは都合のいい話なのです。まんじゅうをもらったら喜んで食べ、人生を決定する材料を平気で捨てている自分を反省し、本気で学んでください。
犬山支店の大澤浩一さんは、社内で最も優れたドライバーの一人です。
器用さもあり、これまで何をやっても無難にこなしてきましたが、今回未体験のことに挑戦し、初めて真剣勝負を行いました。だからこそ十何年も毎日運転しているトレーラーでバックする時に、どちらにハンドルを切ったらいいのか分らなくなってしまったのです。それを体験できたことが大澤さんにとって一番の財産です。
人間は不安や恐怖を感じると、脳幹からアドレナリンが分泌されます。それが出過ぎると、知識(大脳)と技術(小脳)を超越し、日常出来ていることができなくなります。
幕末、明治初期の剣客山岡鉄舟が「剣禅一致」と言っています。剣の修行を積むと同時に、真剣勝負の場面でも平常心で日常の技術が十分発揮できるように心(精神)を練るという意味です。真剣勝負で勝つために技術的に納得できるまで鍛え上げ、心の中の欲や馬鹿さかげんや恐怖をコントロールできるよう、心の修行をしていきましょう。
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