人生は「デ・ア・イ」を探して学ぶ旅のようなものです。
「デ」はデタラメ。人間の判断(世間のものさし)ではなんともならない、天のものさし、ほとけさまのものさし。「ア」はあきらめ。もの事を明らかにする、はっきりさせることです。そして「イ」は、いい加減。中道、塩梅、ちょうどバランスが良いという意味です。
私たちはそれが出来ずに「苦」を生み出しています。思うがままにならないことが多いのが人生だと少しでも分かると楽になります。
1、安さのヒミツ
国家戦略局のトップである菅副総裁が「日本はデフレ状態に入った」と言わざるを得ない今、時代は非常に怖い時を迎えています。日本の経済が相当厳しい局面に突入し、この一年でその傾向が非常に強くなったと感じます。800円のジーンズや300円を切る弁当など、衣料品や食品の価格が下落しています。現象だけで「安い!」と喜んでいると、恐ろしいことになります。
このようにデフレが続くと、色々なところに影響が出てきます。その中で当社も今の給料をずっと保証できるかどうかは分かりません。
特に住宅ローンなど借金を抱えている人は覚悟が要ります。
だからと言って簡単に会社を辞めると、次に働く場所が見つかるかどうかも分かりません。
それで生活してゆくには、腹をくくる覚悟が要ります。
ジーンズが以前より半額になり、自分の給与が下がることはあっても、借金は変わりません。これは企業も同じです。この時期、大宝の強みのひとつは自己資金比率が高く借金が少ないことです。今、借金をしていない人は、しばらく様子を見た方が賢明です。
2、現象の奥にあるものを見る力
もの事を正しく捉えるには、現象だけでなく背景と本質を掴むことが重要です。それを図で表わすと、このようになります。

個人も家庭も会社も世の中も、水面上だけ静かに推移していても、その中の動きは様々です。
物価が下がり喜んでいると、水面下ではものすごい動きが起きているように、企業もデフレ経済の中で企業経営をしてゆくために、ありとあらゆる手段で生き延びようとします。その水流を作っている水底が、どういう地形になっているのかは、学ばないと分かりません。また、従来と同じように考えていては見誤ります。
私たちの意志では何ともならない大きな変化が来ているのです。
時代の変化を正しく知ったうえで、今、自分たちが何をすべきかを考え、お互いのエゴを少し抑え、力を合わせてゆきましょう。
この図は個人にも当てはまります。精神の育成度(水底の地形)によって、考え方や心の動き、感情(水流)が変わり、日常の態度や姿勢、言動となって水面に現れます。
この一年の努力で水底の地形が良い形で変わった人は、感情もコントロールでき、行動も良い方向に変化しています。各自で振り返ってみてください。
今、みなさんが本氣になれば、全社の事故をゼロにすることも可能です。よく頑張っていると思います。ただし少し手を抜くと、愚痴や負け犬根性が出てきて、組織の秩序は乱れます。
先月もお話しした、人間としてもっとも重要な要素「四維=礼・義・廉・恥」を、組織全体が持てるよう学び努力してください。分からないことがある時は、分からないもの同士で愚痴るのではなく、分かる人の所に聞きに行ってください。
みんなで力を出し合い、みんなで笑える楽しい会社にしてゆきましょう。
一年間ありがとうございました。